BLOG No. 37
派遣の法律が変わると派遣社員に影響はあるの?(2020年:派遣法改正)
2020年4月から「改正派遣法」が施行され、派遣社員や派遣アルバイトの待遇が、これから大きく変わっていきます。
法律が変わると、派遣会社や派遣先だけでなく、派遣社員にもいろいろな影響が出てきます。とくに、給与面での待遇変化は、派遣社員にとっては一番気になるポイントですよね。
派遣法改正によって、給与がどのように変化していくのかを、簡単に解説していきます。
交通費が時給に加算される
今まで、派遣社員に「交通費」は支給されないのが一般的でしたが、今回の法改正によって派遣社員にも「交通費が支給」されるようになります。
労働時間1時間あたりにつき「72円」以上が、交通費として支払われます。
【支給方法】
- 1ヶ月の交通費として「12,480円以上」が支払われる(1日8時間、週5日勤務の場合)
- 時給に「72円以上」が加算される(交通費を上乗せ)
派遣会社によっては、かかった交通費を全額負担(上限付き)してくれる場合もあるので、通勤でどれくらい交通費がかかっているのか、いますぐ計算しておきましょう。
退職金が時給に加算される
退職金についても、今回の法改正によって派遣社員にも支払われることになります。
派遣スタッフが退職金を受け取る方法は、主に3つあるんですが、ほとんどの場合は「時給に上乗せ」という形になるでしょう。
【退職金の受け取り方法】
- 勤続年数などで算出する一般的な退職金制度として支給
- 時給に上乗せする「退職金前払い」
- 中小企業退職金共済制度への加入
時給へ上乗せするときは、時給の「6%」が退職金という形で上乗せされるので、時給はアップします。
例えば、時給1,000円、1日8時間、週5日勤務、という条件で働いていた場合、時給は「60円」アップします。
- 60円×8時間×5日=2,400円(1週間あたり)
- 2,400円×4周=9,600円(1ヶ月あたり)
一見すると少ないと思ってしまいがちですが、毎月の給料が「約1万円」もアップとなると、意外と大きな金額ですよね。
退職金の支給については「2020年4月から派遣社員でも退職金(給料6%アップ)がもらえる」で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
ボーナスが時給に加算される
もう一つ、正社員の特権でもある「賞与(ボーナス)」についても、法改正によって上乗せされる可能性があります。賞与の有無についても、情報開示が義務化されました。
「賞与あり」と明示している派遣会社からは、賞与分として時給に「2%」を上乗せした形で支給されます。
例えば、時給1,000円、1日8時間、週5日勤務、という条件で働いていた場合、時給は「20円」アップします。
- 20円×8時間×5日=800円(1週間あたり)
- 800円×4周=3,200円(1ヶ月あたり)
前述した「退職金」と合わせると、1ヶ月あたり「13,000円以上」も給料がアップします。さらに交通費も含めると、かなり手取り額に違いが出るのではないでしょうか。
法改正では「同一労働同一賃金」も導入されるので、派遣社員でもボーナスが支給される対象となります。
交通費や退職金だけでなく、ボーナスについても派遣会社に確認するといいですよ。
同一労働同一賃金については「派遣の待遇が変わってほしい!同一労働同一賃金がスタートします」で解説していますので、参考にしてください。